グループホーム
今まで数え切れない程の職場を転々としてきたが、
30代後半時、正社員でグループホームに勤務してた。
ここでやりたい放題やって、結局辞めるハメになった時の話。
この施設は3階建てで1階は事務所、2階3階がそれぞれ9名定員のグループホーム
だった。
ネットで仕事探していたら、グループホームにしては給料も良く、
夜勤手当1回6000円というのが何とも魅力的に感じたのよ。
そんで応募したら面接に呼ばれて、50歳くらいでデカいメガネをかけた
神経質そうな痩せぎすの男性施設長と面接。
今までの職歴を確認したり、夜勤に何回入れるか、志望動機などを聞かれたんだけど、
「 (何が一丁前に志望動機だよ。志望動機なんか給料が良いからに決まってるだろ。
こんな施設に金以外で誰が志望すると言うんだよw むしろ人手不足で苦しんでいるウチの施設によくぞ応募してくれましたと言って、三顧の礼で俺を迎えるべきだぞ) 」 と心の中で小馬鹿にしてやったのを覚えている。
そんで数日後に本社での面接に呼ばれ、社長と1対1で面接した。
社長は面接中は常に顔に微笑を浮かべていて、40代後半と思われる見た目で高そう
な紺色のスーツを着ていた。
社長からは、俺の趣味や大学生時代の思い出などを聞かれた。
まさか趣味は飲酒とゲーム、エロ動画鑑賞ですなどと言う訳にもいかないので、
「趣味は読書、映画鑑賞、水泳です」と答えたら、微笑を浮かべていた社長が満面の笑みになった。
実際に読書と映画、水泳は好きなので、仮に「最近読んだ本はなんですか?」などと
聞かれても即答出来る自信があったんだ。
そして、前職の特別養護老人ホーム正社員を退職した理由と、ここでもまた志望動機
を聞かれたので、
「特別養護老人ホームでは業務に追われ、利用者様一人一人とじっくりと向き合う時間が取れませんでした。本当に流れ作業のようで・・・。私は元々、人生の先輩である高齢者の方が好きで、業務を通じて色々なことを学ばせていただきたいと思っていました。しかし前職の特別養護老人ホームでは、入浴介助の時くらいしか利用者様とゆっくり話す機会がありませんでした。
御社ならば人員も豊富とのことでしたし、余裕を持って業務に取り組み、利用者様1人1人とじっくり接することが出来ると思っています」
と披露してやった。
「(我ながら俺は大した役者だよまったくw 老人が好きな訳ねーだろw でも俺の会心の志望動機はどうよ?感動しただろ?) 」
と思い社長を見ると、これには表情を変えず、俺の履歴書をジーっと眺めているので、
「(こいつまさか俺が履歴書に嘘書いたのに気づきやがったのか?)」と
急に不安になった。
病的な短気で瞬間湯沸かし器的な性格の俺は、当時から色々な職場を短期間で辞めていたので、それを馬鹿正直に履歴書に書こうものなら、面接どころか書類選考の時点で
門前払いとなるのは分かりきっていたのよ。
だから短期間で辞めた仕事は書かず、数ヶ月続いた仕事を1年に延長して記載したり、
数年で辞めた会社を8年勤めたことにしていた。
直前の職歴さえ正直に書けば、まずバレないからね。
ただ、さすがに持っていない資格を書いたり、働いたことのない会社を書いたりはしないよ。
これについては罪悪感はないし、むしろ応募者の権利とすら思っている。
だって、労働基準法を完全に守っている会社なんか、なかなか無いだろ。
そして面接が終わり、自宅への帰途の途中でメールが入り、なんと採用とのこと。
その後メールでやり取りし、勤務初日の調整、入社にあたり用意する書類などを教えてもらい、勤務初日を迎えた。
俺は2階への配属となり、初日、施設長に下駄箱の場所と更衣室を案内され、館内にあるエレベーターを使う時に入力する4桁の数字を教えてもらう。
4桁の数字を入力しないとエレベーターは使えない。
認知症の高齢者が勝手にエレベーター乗ると大変だから、数字入力式なんだ。
もちろんこの4桁の数字は利用者には秘密。
配属先の2階に上がると、フロアでは利用者達がテレビを見たり、
塗り絵をしたり居眠りをしていて、このフロアを通り抜けキッチンで作業している
職員に挨拶に行くと、キッチンでおやつであろうクッキーを皿に準備していた
70代と思われる水木しげるの漫画に出てきそうなおばさん職員に元気よく挨拶する。
すると作業を止めて「 高田です!よろしくね!」と元気に挨拶を返してくれ、
とりあえず良さそうな人で一安心。
その後、入浴介助していた梅津さんという女性職員がフロアに戻ってきて、
この梅津さんを見て思わず度肝を抜かれる。
なんといっても美人なんだよ。
見た目は25歳位なんだけど、小顔で綺麗な茶色の髪の毛、ちょっと痩せすぎかなと思われるスリムな体型、顔のパーツも文句なく整っていて、100点満点中90点といった感じなんだ。
挨拶もちゃんと返してくれて。
前の職場の特別養護老人ホームは、汚いババアばかりだったので、
もう俺は嬉しくてさ。
いい職場に巡り会えたって心の中で快哉を叫んだよ。
大学の時に付き合っていた年下の女に振られ、20年近く女性との縁がなかった俺にとって、チャンスが回ってきたんじゃねえか?と思った。
職場でうまく仲良くなって、連絡先を交換するようなり、仕事の愚痴や相談なんかを
お互いに吐き出せる間になって、休日は映画館に行ったり食事したり、時にはホテルに行ったりするような仲になりたい!なんといっても美人すぎる!
こんな美人をクンニ出来たら幸せだろうなあって一人で興奮したよ。
おまけに壁に貼られていたシフト表見たら、2階は俺以外は全員女性職員、
3階は赤羽とかいう男の職員の名前が1人書いてあったので、この男性職員のことを
高田さんに聞いたら、
「赤羽さんは68歳のパートの男の人だよ」と何とも嬉しい返事。
これで職場に恋のライバルが皆無なのを確認出来て、思わず顔がニヤけてしまったw
疲れたのでまた書きます(^_^;)